もやっと 〜木蓮〜

朝方の光は
とてもか弱く
目の前の物達を
はっきりと
映し出す力を持っていなかった。

もやっとした感じも
それなりに
美しく、
必ずしも
はっきりとしていることばかりが
いいことだとも言えない
そんな感じに思う。

どんなに曖昧だと
思うことでも
静かに近づいてみると
よく見えたりする。

スピード感はいらない。
なるべく静かにゆっくりといきたいものだ。

そして、もう一度
同じ位置に戻った時には
もう、少しはっきりと
見えてくる。

同じ人間が
同じ目でという限界、
持っているものだけを
使ってできる可能性、
ないものねだりは無しで。

出来るところまで
進んで行こうと思う。